製造工程を学ぶ
信仰とご先祖様の象徴としてのお仏壇は、昔から職人の手によって作られ、今も高い技術が引き継がれています。
お仏壇に置くお位牌と仏具にも一つ一つ意味があり、専門の職人が作り出しています。
ここでは、唐木仏壇とお位牌の作り方をご紹介します。
唐木仏壇の製造工程
唐木仏壇は、黒檀(こくたん)・紫檀(したん)・花梨(かりん)などの輸入銘木(=『唐木』)が使われたお仏壇の総称です。
欅(けやき)・桜・桑(くわ)などの国産銘木を使用したものも「唐木仏壇」と呼ばれ、その木目の美しさが特徴です。
近代では外国産材でのお仏壇は、環境問題や輸出国の規制などで海外で生産までをおこなうことが多くなってきました。
唐木仏壇は宗派による違いはなく、幅広い種類のものが作られています。
唐木仏壇の主な原木
日本の銘木
●屋久杉/桧(ひのき)/欅(けやき)/槐(えんじゅ)/栓(せん)/小楢(こなら)
外国産の銘木
●黒檀/紫檀/黒柿/鉄刀木(たがやさん)/黄王檀(きおうたん)/セプター/ウォールナット/ローズウッド
唐木仏壇ができるまで
お仏壇製造は、その随所に高度な職人の技術が散りばめられています。
一つ一つ丁寧に、丹念に作り上げることで長くお使いいただけるお仏壇が完成します。
お位牌の製造工程
お位牌ができるまで
お位牌は細部にわたって幾度もの製造工程が分かれています。
ひとつひとつ丹念に作り上げられるお位牌は、職人の技術がつまった名品です。
『木地加工』(彫刻/刻竿かい/木地調整)
十分に乾燥させた原木をカットし、彫刻を施していきます。
白木地が完成したら、下地工程に入ります。
『下地工程』(ヤニ止め/木固め/布着せ/地付け/地研ぎ/切粉付け/切粉研ぎ/錆付け/錆研ぎ/錆固め)
塗師(ぬし)によって、白木地に下地を施していき、乾燥させます。
『塗り工程』(下塗り/補修錆付け/錆研ぎ/中塗り/中塗り研ぎ/上塗り)
下塗りから中塗り、上塗りまで、何度も塗り重ねることによって表面がきれいに仕上がっていきます。
『呂色(ろいろ)工程 』(上塗り研ぎ/胴ずり/すり漆/磨き)
極上品は呂色漆(ろいろうるし)を塗り、丹念に磨いていきます。
ツヤが出て、顔が映るほどに光沢が出ます。