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お仏壇を学ぶ

お仏壇には、仏教寺院において本尊を祀る「内陣」を小型化した「お家の中の小さなお寺」、また、「ご先祖様、ご家族の象徴」の2つの意味があります。
日本の歴史、文化や、日本人の国民性、考え方、行動の基本になり、私たちの身近な心の支えになっていのが「仏教」です。
仏様、すなわち如来様をお祀りする壇として各家庭に置いたものがお仏壇のはじまりとも言われています。
お仏壇はお寺様と同じ、心のよりどころ。
朝夕お仏壇に向かって手を合わせる日々のお努めは、いわば暮らしの中での仏教行事と言えます。

お仏壇の種類

お仏壇のご本尊、お飾りや仏具は、各宗派によって異なります。
主な宗派には「浄土真宗本願寺派」、「浄土真宗大谷派」、「浄土宗」、「曹洞宗」、「真言宗」、「日蓮宗」、「天台宗」、「臨済宗」などがあります。
加えて地域でのしきたりや習慣でも異なります。
お仏壇には本格的な「金仏壇」、「唐木仏壇」、また、小型な略式のものや新しいデザインの「モダン仏壇」があり、ライフスタイルに合ったお仏壇を選ぶことがポイントです。
宗派やお仏壇については、お寺様やお仏壇専門店でお尋ねいただくのが良いでしょう。

『禅宗』…「坐禅をする宗派」というくらいの意味合い。 「臨済宗」「曹洞宗」などが含まれる。
『神徒』…神道(神主)が使う神徒壇。

「モダン仏壇」とは?

現在は和室がない家も多く、マンションなどのリビングや洋間に合うようお仏壇のデザインも柔軟に変化してきました。
フローリングに合わせやすい色目のお仏壇や、インテリアとしても映える素材やデザインのものも増えてきています。
コンパクトな略式仏壇や、家具の上に置いて使えるお仏壇など、さまざまなデザインがありますので、設置スペースやライフスタイルに合わせてお選びいただくと良いでしょう。

お仏壇の祀り方

お仏壇の祀り方は、宗教や宗派によって異なります。
また、現在では宗教にとらわれず故人の写真や遺品を中心にして自由に祀る方法もあります。

祀り方(仏教の例)

  1. ご本尊様 … ご本尊様は、最上段の中央に安置します。お位牌もここに置きますが、ご本尊さまを中心に向かって右が上座になり、古い順にお祀りします。
  2. 脇仏 … ご本尊さまの両脇に、宗派で決められている宗祖の御影(みえい)や名号(みょうごう)の掛軸を置きます。
  3. 吊灯篭 … 灯篭(とうろう)または輪灯(りんとう)と瓔珞(ようらく)を天井から吊るします。
  4. お位牌
  5. 茶湯器
  6. 仏飯(ぶっぱん) … ご本尊さまとご先祖さまの茶湯器と仏飯器を二個ずつ置き、炊きたてのご飯とお茶湯を供えます。
  7. 高坏(たかつき) … 高坏または供笥(きょうす)は、一対以上とします。
  8. ローソク立て
  9. 花立て
  10. リン
  11. 香炉
  12. 線香さし
  13. マッチ消し
  14. 打敷

宗教や宗派によって、お祀りする仏具やその位置が異なります。
ご不明な場合は、お仏壇専門店やお寺様に確認をしながら揃えていただくのが良いでしょう。

ご本尊様

お仏壇にご本尊様があることによって故人が仏の世界でもお守りされると言われており、お仏壇の中でご本尊様は一番重要です。
仏教はインドのお釈迦様によって説かれ、その後二千五百余年もの長い時をかけ、多くの人々により中国・朝鮮をわたり日本に伝えられました。そして、その時代の中で姿形を変えながら、今の様々な宗派が生まれました。
それら宗派ごとにお祀りするご本尊様と、その両脇の脇仏にも違いがあります。
しかし、すべての宗派の根源や仏教の根本的な考えは同じです。
ご本尊様はそれぞれの宗派の象徴であり、重要な意味を持っています。

各宗派のご本尊様

※上記は一例です。地域などによってもお祀りの仕方が異なりますので、詳しくはお寺様や仏壇専門店にお尋ねください。

ご本尊様の選び方

ご本尊様には仏像や掛け軸などの種類がありますが、各宗派に合ったご本尊様、脇仏であれば問題はありません。
お仏壇のサイズやバランス、ご予算に合わせて、専門家とご相談の上お仏壇に合ったものをお選びいただくと良いでしょう。

お位牌

お位牌は、故人の霊をお祀りするために、戒名や死亡年月日を記した故人の象徴です。
ご葬儀でお祀りした白木位牌は、忌明け法要日(きあけほうよう)までには本位牌と入替えていただく必要があります。

お位牌の種類

白木位牌

仏教では、死者の霊は亡くなった日から7週間(四十九日間)、この世とあの世の中間にさまよっているとされています。
この期間は、死から新しい生へと生まれ変わる準備をしているのです。
ご葬儀の時に用意した白木のお位牌は仮の位牌です。
忌明け法要(四十九日法要)が済んだら、白木位牌から本位牌(法名軸)を用意しておきましょう。

本位牌(板位牌・札位牌)

忌明け法要後、お仏壇に安置するお位牌を本位牌といい、忌明け法要までに手配が必要です。
漆塗り、純金箔仕上げ、唐木仕上げなど、伝統様式による多彩な種類とサイズがあります。

繰り出し位牌

ご先祖様の本位牌が多くなった際に用いられます。
戒名を記した数枚の薄い札板を差し込むように作られたお位牌です。
たえず命日をお迎えになるご先祖様の御札が前面に繰り出すように重ねます。

モダン位牌

宗派や型にとどまらない現代型仏壇には、お位牌もまた新しいデザインで表現されたものが多数製作されています。
お仏壇やご自分のイメージに合うものをお選びいただくと良いでしょう。

※お位牌選びの際のご注意
・ご先祖様のお位牌がある場合は、その大きさや形を参考にすると良いでしょう。
・戒名(法名)、死亡の日付・俗名・享年(死亡年令)を白木位牌から書き写します。
・連記式のお位牌で、そこに新たな戒名(法名)を書き込む際には、菩提寺(ぼだいじ)にて「お精抜き」をしていただいてから書き入れましょう。

お位牌以外

法名軸

法名軸は、お寺様よりいただいた法名を前もって表装した掛け軸です。
浄土真宗各派では、お位牌は用いず法名軸をお仏壇の中にお掛けしてお祀りします。
亡くなわれた直後は白木のお位牌を置くものの、四十九日以降は、故人は現世にとどまることなくすぐに浄土で仏となるという浄土真宗の教えに基いています。

過去帳

過去帳とは、累代のご先祖様の法名を記入して、命日ごとに開帳しそれぞれのご先祖を供養するためのものです。
日蓮宗の過去帳には故人の情報だけでなく、日蓮上人や歴代御法主上人の命日や大聖人の法難、お題目なども合わせて記載されており、毎日の勤行時に使用します。
過去帳もお位牌もご先祖様を想い、故人を追悼するために生まれたものですが両者には大きな違いがあります。
位牌がその方の魂が込められている故人そのものと考えられていることに対して、過去帳は家系図の意味合いが強いということです。
ほとんどの宗派ではお仏壇と同様にお位牌をお祀りし、過去帳はお仏壇の内部に保管しておく場合が多いようです。
50回忌などの節目でお位牌や法名軸は菩提寺で処分していただきますが、過去帳は永続的にご家庭で守り伝えられていきます。

仏具

お仏壇に飾る仏具には、香炉、花立て、ローソク立ての「3具足」から大きな仏壇用の「21具足」までがあり、それぞれのサイズや価格帯も様々です。
お求めになるお仏壇を決めてからそのサイズに合う仏具を専門店と相談しながら決めると良いでしょう。
現代では、従来型の仏具に変わり、唐木仏壇でもモダン型の仏具を選ぶ方もいらっしゃいます。

宗派による仏具の違い

お仏具の飾り方は、各宗派により細かく異なり、ローソクの位置までも決まりがあります。
また、地域や分派により若干の違いがあり、お仏壇の大きさにより多少変わってきます。
現代ではそこまで気にせずお飾りできるモダン仏具もありますので、お求めの際に、店員さんにご確認ください。

具足

『具足』とは、「三具足」「五具足」「七具足」「十具足」があり、お位牌とご本尊様以外用意する仏具の種類を示したものです。
「三具足」…最低限必要な仏具として、線香立て(香炉)、花立て、ローソク立て(燭台)を示します。
「五具足」…線香立て(香炉)、花立て1対ずつ、ローソク立て(燭台)1対ずつ
「七具足」…線香立て(香炉)、花立て1対ずつ、ローソク立て(燭台)1対ずつ、茶湯器、仏飯器
「十具足」…線香立て(香炉)、花立て1対ずつ、ローソク立て(燭台)1対ずつ、茶湯器、仏飯器1対ずつ、高杯1対ずつ

その他

具足以外にも、お仏壇の中で使うおリンや高杯、お仏壇の前で使う経机なども必要となります。
ぜひ店員さんに相談しながらご予算に合わせて必要なものを揃えましょう。

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